生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病とは生活習慣によって発症する疾患の総称で、その特徴は、自覚症状のないまま進行することが多く、見落とされやすく、心筋梗塞や脳卒中など、重大な疾患につながる危険性が高い傾向があります。検査結果で、基準値との差が少しだけであれば経過観察処置となりますが、これにより治療のチャンスを逃し、病気が進行したり合併症が発症したりしてしまうケースもあります。当院では、常に患者さんと一緒に病気に対処する姿勢を重んじており、治療の方針や薬が必要であるかなどを細やかに説明し、患者さんの不安やご希望に真剣に向き合います。

メタボとの違い

メタボリックシンドローム(略してメタボ)と生活習慣病は、似ているものの少し違います。血圧、脂質値、血糖値のうち2つ以上に異常があり、内臓肥満(内臓脂肪の蓄積)がある症候群をメタボリックシンドロームといいます。
生活習慣病である高血圧、脂質異常症、糖尿病の診断基準に比べて、このメタボリックシンドロームの血圧高値/脂質異常/高血糖の基準は少し厳格です。健康診断で高血圧といわれていない方でも、内臓肥満があり、他の検査値の異常があれば、メタボリックシンドロームに該当することがあります。


高血圧

高血圧
高血圧は、40代以上の日本人男性のうちおよそ60%、女性の場合はおよそ40%がもっている疾患です。高血圧を放っておくことは、刺激による血管の損傷や、心臓が高い圧力で血液を送り出すためエネルギーを多く使い、体に過度な負担がかかることを招きます。これによりさまざまな疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全、動脈硬化、脳梗塞、脳出血、腎臓病など)が引き起こされる可能性があります。当院では、毎日の血圧測定、生活習慣の改善指導のほか、それぞれの患者さんに合わせた降圧薬の処方などを行っています。また、他の疾患が原因での高血圧であると考えられるケースでは、適切な検査を実施し、それに従った診断と治療を行います。


脂質異常症

血中脂質の増加によって起こる疾患を脂質異常症といいます。脂質が多い状態を放っておくと、血管内に蓄積した脂質が動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞につながります。この余分な脂質を肝臓に戻し、悪玉コレステロール(LDL)を減らす役割を担っているのが善玉コレステロール(HDL)です。脂質異常症は、自覚症状がないまま進行するため、早期発見が大切です。治療法には、カロリーを管理する食事療法、ウォーキングなどを行う運動療法、コレステロール値を下げる薬物療法などがあります。血中コレステロール値や中性脂肪値が高い方は当院にご相談ください。


糖尿病

糖尿病
膵臓が正しく機能せずにインスリンを適切に分泌できず、体の中に必要な糖が十分に補給されず、血中にブドウ糖が蓄積して発症する疾患が糖尿病です。高血糖、喉の渇き、頻尿、疲労感、傷の治りが遅い、感染症にかかりやすいなどの症状があらわれます。また、高血糖の持続は、全身の毛細血管を詰まらせ、それが破れることによる出血を招き、これが重篤な合併症を引き起こす場合があります。そのため、早くから食事療法や薬物療法で血糖を適切に管理しなければいけません。特に、生活習慣病にかかりやすい35歳以上の方や、健康診断で問題があると言われた方は、当院まで一度ご相談ください。


高尿酸血症(痛風)

血中の尿酸値が上昇している状態を高尿酸値症といいます。激しい痛みを伴う痛風は、尿酸値が上昇し、細胞内でプリン体がつくられ、これが間接に針状の結晶として溜まることによって引き起こされます。プリン体が多く含まれる食物(ビール、レバー、エビ、魚卵、イワシ、カツオ、干しシイタケなど)の過剰摂取には注意が必要です。カロリー制限をする食事療法、肥満を防ぐ運動療法を行うほか、必要に応じて薬物療法も併用します。


動脈硬化とは

血管の壁が硬くなり、弾力性が損なわれる疾患を動脈硬化といいます。
動脈硬化の進行に伴い、血管の内側にはプラークという、脂肪やコレステロールからなるものがつくられます。このプラークの拡大によって血管の内側の空間が狭くなり、その中に血栓ができ、血管がさらに狭くなり、重症になると血管が完全に詰まってしまうことがあります。また、血管が狭くなることで血流が減少し、高血圧が引き起こされます。さらに、必要な酸素や栄養が臓器に適切に与えられなくなり、全身に重大な負担がかかった結果、臓器の機能はだんだんと低下します。心臓に過剰な負荷がかかるため、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞など)のリスクが高まる他、脳にも酸素が供給されにくくなるため、脳梗塞などのリスクにもつながります。


生活習慣病の予防

禁煙

まず、1つ目に重要なのは煙草をやめることです。煙草に含まれるニコチンや一酸化炭素は、心臓や血管に悪い影響のある物質で、タールには発癌物質、発癌促進物質、その他の有害物質が含まれています。
煙草はさまざまな生活習慣病の発症、そして進行に関わっているため、生活習慣病のリスクを下げる上で、禁煙は大きな効果が期待できます。

バランスのとれた食事

2つ目に重要なのは、バランスのとれた食事です。カロリー、塩分、脂質を少なくした食事を意識して、暴飲暴食はしないようにしましょう。食生活の見直しは、肥満、高血圧、糖尿病の予防、治療にも効果が期待できます。
また、アルコールも生活習慣病の発症に大きく関わっているため、体質的に多くのお酒を飲める方でも、1日に日本酒1合程度の摂取量にとどめておくことが望ましいです。

適度な運動

3つ目に重要なのは、適度な運動と十分な休息です。心と体の健康を保つために、身体をしっかり動かして、十分な休息をとりましょう。また、多くの人や物事と接することも、生き生きと暮らすためには大切です。


健康診断・人間ドックで再検査・要精密検査を指摘された方へ

健康診断や人間ドックなどで再検査、もしくは精密検査を勧められた方に大切なのは、脳卒中などの発症リスクを理解し、日々の暮らしにおける全身の状態を正しく管理することです。脳卒中を防ぐだけでなく、自覚症状のない軽い脳卒中を早期に見つけ、適切な治療を始めて悪化しないようにするためにも、このような意識をもって生活することが重要となります。そのためにも、脳ドックを受けることをお勧めします。
また、健康診断や人間ドックなどで再検査や精密検査が必要だと言われた方には、次のような理由から、一度受診することをお勧めします。

再検査と要精密検査

再検査は、主に健康診断や人間ドックでの検査結果が異常値であったときに、数値の変動や一時的な要因によるものであるかを確認するために実施されるものです。精密検査へ進むことになるのは、再検査の結果がまた異常であったケースです。
精密検査は、指摘された異常の原因であると思われる疾患の有無を診断し、治療が必要であるかを判断するための詳しい検査です。疾患によって異なる、健康診断や人間ドックで行われるより高度な検査が行われます。
再検査も精密検査も、即座に疾患であるということではなく、特に再検査については一時的な異常値であるということもあります。しかし、ここで疾患が見つかった場合は早期発見であり、治療の身体的、経済的負担が軽くなる可能性があります。
再検査や精密検査の通知を無視することは、早期発見の機会を逃すことにつながります。後日、症状がでてからの受診では治療が難しくなることもありますので、検査結果の自己判断はせず、必ず再検査や精密検査を受けるように心がけてください。
健康診断や人間ドックは多くの場合保険が適用されませんが、再検査や精密検査に関しては保険適用です。会社が費用を負担する場合の対応はそれぞれで異なるため、詳細な条件は会社にご確認ください。

胸部レントゲン異常を指摘された

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